水力発電
HYDRO POWER GENERATION
再生可能なエネルギーを有効活用した、
環境に優しい発電です
- 水力発電とは?
- WHAT’S HYDRO POWER GENERATION
水力発電は、水の落差エネルギーにより発電を行うもので、日本では明治時代に始まったとされています。
産業の発展と共に水力発電所の数も増えていきましたが大型ダム建設による自然への影響が懸念され、水力発電所の新規開発は停滞していました。しかし、最近の環境意識への高まりから大型のダムを必要としない小水力発電が注目され始めました。
水力発電は出力規模により下表の様に大まかに分類されており、三峰川電力では環境負荷の少ない1000kW以下の小水力(ミニ水力)発電を推進しています。
- 大水力
- 30,000kW超
- 中水力
- 1,000〜30,000kW
- 小水力
- 1,000kW未満
- 小水力(ミニ水力)
- 100kW〜1000kW
- マイクロ水力
- 100kW未満
- 小水力発電のメリット
- MERIT
水力発電は、他の再生可能エネルギー(風力発電、太陽光発電等)と比べ、以下のようなメリットがあります。
- 運転時のCO2排出量が非常に少ない
- 自然のサイクルで再利用できる再生可能
- 海外情勢に左右されない貴重な純国産エネルギー
- 発電量が安定しており年間稼働率が高い
その中でも小水力発電は大型水力と比べ以下ののことが大きな特徴となっております。
- 土木設備が小規模で済み、自然環境への負荷が少ない。
- 地域にある農業水路などの遊休落差を利用できる。
- 発電所が身近に出来るため、環境意識の高まり、環境学習の機会が出来る。
- 環境への貢献
- ENVIRONMENTAL CONTRIBUTION
水力発電は、運転中に窒素酸化物(NOx)、硫黄酸化物(SOx)を排出しない上、他の自然エネルギーと比べ約半分(下表参考)の環境負荷となっており、温室効果ガスの削減に貢献できる発電設備です。
- 表1. 建築運用に起因するCO2排出量(g-CO2/kWh) 出典:電力中央研究所HP
100kWの小水力発電設備を導入した場合、環境省デフォルト値(0.555kg-CO2/kWh)との比較において、約486t-CO2/年のCO2削減効果が得られます。
- 三峰川電力の小水力発電の取組
- SMALL HYDROPOWER GENERATION
三峰川電力では、今までに遊休落差を利用した発電所新規建設や、既存老朽発電所の改修によるエネルギー利用効率の向上などを実施しており、今後様々な案件を手掛けて行きます。
1)三峰川電力ビジョン
- 三峰川発電所を拠点に長野県周辺地域での新規小規模水力発電所の開発
- 新規拠点を設置し、全国各地での新規小規模水力発電所の開発(現地ビジネスパートナーとのタイアップ、地元電力会社との協調)
- 国内地方自治体との共同小規模水力発電事業
- 小規模水力発電にて取得した環境価値、グリーン電力証書等活用した新規ビジネスの展開
2)これまでの開発状況
- 昭和38年12月
- 三峰川第二発電所
- 完成
- 昭和39年4月
- 三峰川第一発電所
- 完成
- 平成18年8月
- 三峰川第三発電所
- 完成
- 平成21年2月
- 三峰川第四発電所
- 完成
- 平成23年6月
- 蓼科発電所
- 完成
- 平成24年2月
- 北杜西沢発電所
- 完成
- 平成24年2月
- 北杜川子石発電所
- 完成
- 平成24年2月
- 北杜蔵原発電所
- 完成
- 平成25年12月
- 蓼科第二発電所
- 完成
- 平成27年4月
- 花の郷発電所
- 完成
- 平成27年12月
- 水内川発電所
- 完成
- 平成27年12月
- 豊平発電所
- 完成
- 平成27年12月
- 砂谷発電所
- 完成
- 平成28年2月
- 姫沼発電所
- 完成
- 平成28年2月
- 番屋川発電所
- 完成
- 平成29年8月
- 蓼科第三発電所
- 完成
- 平成29年8月
- 蓼科第四発電所
- 完成
- 平成30年4月
- 宮城県白石発電所
- 完成
- 令和元年10月
- 三峰川本門寺第一発電所
- 完成
- 令和元年10月
- 三峰川本門寺第二発電所
- 完成
- 令和元年10月
- 新宮川発電所
- 完成
- 令和3年12月
- 宝沢ほたる発電所
- 完成
小水力発電所とは?
・環境に優しい
私たちが手掛ける「小水力発電」では、大規模なダムを新たに建設する必要がありません。「山間部の高低差」をそのまま利用して、水が流れる力で発電するもので、とても環境に優しいのです。また、発電所自体が発電に使用した「川の水」を「ろ過するフィルター」の役割を果たしているので、河川に含まれるゴミを取り除き、再び下流に戻す効果まであるのです。
・特徴
小水力発電所の発電施設は、「小屋程度」の大きさの建屋に収まり、非常にコンパクト。一度建設してしまえば、施設は、50年から100年は持ちます。「発電所」は基本的には「無人」で、当社の場合は、長野県伊那市にある中央監視制御室で、24時間体制で、交代制により、たった一人で、全国にある設備を一括で監視しているのです。
何かトラブルが発生した場合は、この制御室からの操作で、全国の設備を稼働・停止させることが可能。例えば、台風が来ることが分かっている場合は、事前に設備を停止させるケースもあります。事故が発生した場合のリスクが、極めて小さいので、こうした管理が可能なのです。
・他の再生可能エネルギーとの違い
国は、「再生可能エネルギー」の建設を後押ししています。国内の「全ての発電量」に占める「再生可能エネルギーによる発電量」の割合は、2016年には10%でしたが、国は、この割合を、「2030年までに、22%から24%に高める」という目標を設定しています。
「再生可能エネルギー」を活用した発電方法としては、他にも「太陽光」「バイオ」「風力」「地熱」などがあります。これらと比較した場合、「小水力発電」は、最も「発電の為のコスト」=「発電単価」が低いことで知られています。「ベース電源」としての活用が可能です。このように、小水力発電は、再生可能エネルギーを利用した発電の中でも、最もクリーンで、安全な発電手法なのです。
・課題と展望
しかし、「小水力発電」には、課題もあります。まずは、「発電量の小ささ」です。また、少子高齢化の流れの中で、「技術者」がどんどん引退しています。更に、建設には行政の「許認可」が必要で、専門的な知識が必要となります。
その上、これが最も大切なのですが、建設にあたっては「地元の合意形成」が欠かせません。つまり、「豊富な知識と経験」に加えて、地元の皆様のご理解を得られなければ、新規事業は進められないのです。地元の皆様の声を聞いて、そして、きちんと説明をして、ご理解を頂くことが大切なのです。
小水力発電は太陽光発電と違い、事業化までのステップが多く「河川法などの許認可の取得」も難しいことから、2012年に「固定価格買い取り制度」が施行された後も、新規の参入事業者が、ほとんど増えていないのが実態です。小水力発電が、「クリーン」で「安全」な発電手法であることは、誰もが認めるところなのですが、残念ながら、その拡大は、鈍いのです。
この様に、課題が多いのが現状ですが、当社としては、業界のリーディング・カンパニーとして、もっともっと、小水力発電の業界全体を盛り上げていきたい、と考えているのです。
【参考/大型水力発電に比べた、小水力発電のメリット】
- 太陽光や風力のように発電量がブレずに安定している。太陽光だと雨や曇りの日は利用できないが、小水力発電はほぼ24時間体制で発電を続ける。
- 土木設備が小規模で済み、自然環境への負荷が少ない。太陽光発電は広大な土地が必要となるが、小水力発電は、極めて小さいスペースで運営が可能。
- 地域にある農業水路などの遊休落差を利用できる。
- 発電所が身近に出来るため、環境意識の高まり、環境学習の機会が出来る。
【参考/水力発電の原理】
水力発電は、水が高いところから低いところに流れ落ちる性質を利用し、水の流れ落ちる[位置]エネルギーを水車によって[運動]エネルギーに変換し、発電機によって電気エネルギーを作るものです。
【参考/水路流込式】
河川を流れる水を貯めることなく、そのまま発電に使用する方式です。
【参考/横軸フランシス水車】
フランシス水車は、高落差から低落差まで、大容量から小容量まで広い範囲に用いられ、構造も簡単で中小水力発電においては多く採用されています。水は、ランナ(羽根)の全周から中心に向かって流入し、水圧によりランナを回転させつつ、ランナ内で軸方向に向きを変えて流出します。フランシス水車は、流量調整できるガイドベーンを備えています。